アスク労務通信(アスク労務管理事務所のメルマガ)

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NO.15  発行日 平成30年 11月 1日( 木 )

みなさん、こんにちは。
社労士の久保です。


寒い時期になりましたが、体調は崩されていないでしょうか?

私事ですが、数年ぶりに風を引いて寝込んでしまいました。
顧問先様にご迷惑をお掛けすることになってしまいました。。。
言い訳のしようがありません。大変申し訳ありません。

今後はしっかり体調管理をして、顧問先・関与先様のために
ご支援をしてまいります。
引き続き、宜しくお願い致します


今回のテーマは「自己都合退職トラブル」と「通勤事故リスク」です。





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人手不足で増えている
「自己都合退職トラブル」



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◆自己都合退職トラブルとは
退職の意思を会社に伝えようとする従業員に対し、会社が退職を認めないという
「自己都合退職トラブル」が増加しています。「上司が面談に応じない」「退職
届を受理しない」「離職票さえ渡さない」「有給休暇を取得させない」「辞めた
場合は損害賠償請求すると脅迫する」などがその代表例です。


◆解雇トラブルの相談件数と逆転
昨年度、都道府県労働局および労働基準監督署に寄せられた民事上の個別労働紛争
相談のうち、「自己都合退職」は2番目に多い38,954件でした。この件数は直近10
年間で増え続けており、平成27年度を境に「解雇」を上回っています(厚生労働省
「平成29年度個別労働紛争解決制度の施行状況」)。
かつての不況下においては解雇トラブルがよくみられましたが、人手不足のいまは
自己都合退職トラブルが多い時代です。この傾向はしばらく続くでしょう。



◆民法上は2週間で退職できる
労働者は法律上、期間の定めのない雇用の場合、いつでも雇用の解約の申入れをす
ることができます。また、会社の承認がなくても、原則として解約の申入れの日か
ら2週間を経過したとき、雇用契約は終了します(民法627条1項)。
就業規則の「退職」の項目においては、業務の引継ぎ等の必要性から、「退職希望
日の少なくとも1カ月前に退職届を提出」等と規定することも多いですが、この規
定のみを理由に退職を認めないということはできません。



◆従業員の退職でもめないために
一度退職を決意しその意思を表明している従業員に対し、慰留・引き留めを行った
ところでさほど効果はないものですし、度を過ぎれば前述のような法的案件にもな
りかねません。くれぐれも感情的な対応はせず、淡々と引継ぎや退職手続をさせま
しょう。
最近では、「退職代行ビジネス」とわれる、民間企業が本人に代わって退職手続を
行うサービスを利用して、会社との自己都合退職トラブルを防ぐ退職者も増えてい
ます。この場合、本人と面と向かうことなく、会話もないまま退職が完了してしま
います。
従業員が自己都合退職に至る動機はさまざまですが、そもそも「辞めたい」と思わ
せない会社づくりも大切です。




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従業員の通勤事故リスク、
対策を取っていますか?



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◆会社が通勤時の事故発生をめぐり責任追及されるケースが増加
10月1日、事故死したトラック運転手の遺族が、原因は過重労働だとして会社に
約1億円の損害賠償を求める訴えを起こしました。
同様に、通勤途中で発生した事故をめぐり会社が責任追及されるケースが増えて
います。



◆上司も書類送検されたケース
2017年10月、業務で公用ワゴン車を運転中に兵庫県川西市選挙管理委員会の職員
が5人を死傷させる事故が発生しました。職員は、当時、参議院選挙対応で約1
カ月間休みがなく、200時間超の時間外労働を行っていました。2018年4月23日、
運転していた職員は自動車運転処罰法違反(過失致死傷)で書類送検され、また
過労状態を知りながら運転を命じたとして、上司も道路交通法違反(過労運転下
命)で書類送検されています。



◆裁判で和解が成立したケース
2018年2月8日、横浜地方裁判所川崎支部において、ある事件の和解が成立しま
した。この事件は、バイクで帰宅途中に居眠り運転で事故死した従業員の遺族が、
原因は過重労働だとして会社に損害賠償を求めたもので、会社が7,590万円支払う
こととなりました。従業員は約22時間の徹夜勤務明けで、事故前1カ月の時間外
労働は約90時間でした。



◆裁判官は通勤中の会社の安全配慮義務に言及
上記事件で、裁判所は、通勤時にも会社は社員が過労による事故を起こさないよ
うにする安全配慮義務があると認定し、公共交通機関の利用を指示するなどして
事故を回避すべきであったと指摘しています。
和解の内容には、再発防止策として勤務間インターバル制度の導入、男女別仮眠
室の設置、深夜タクシーチケットの交付などの実施も盛り込まれました。これま
で通勤中の事故で会社の責任を認めたものはほとんどなかったため、会社の安全
配慮義務が従業員の通勤についても認められることを示した画期的な判断とされ
ています。



◆「労働時間把握」だけではリスクを回避できない
働き方改革法では、労働時間把握が使用者の義務として課されることとなりました。
しかし、会社に求められるのは、省令に定める方法により労働時間を記録等するだ
けでなく、過労状態で従業員が事故を起こさないような具体的対策を講じることで
あると認識する必要があるでしょう。



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